PIフォーラム 第73回ヘルスケア分科会 講演会

異業種から医薬品産業に参入した企業でつくる「医薬品産業情報研究会(PIフォーラム)」は、設立25年目を迎え、現在(平成28年7月時点)34社が加盟する団体です。ここに専門性を活かした8つの分科会があり、その1つ「ヘルスケア分科会」において、日本サプリメント協会理事長・後藤典子が講演を行いました。

日時:平成28年9月15日(木)16:00~17:30
場所:富士フイルム株式会社 六本木本社
演題:「健康食品が、国民の信頼と健康に応えるために考えるべきこと」
要旨:
健康食品(機能性表示食品)が抱える課題(安全性・成分規定・機能性評価等)を業界が提示しているが、消費者団体およびアカデミアからの疑義、行政から業界への質問および要望も多くなっている。
エビデンス(人介入試験)の取得は重要であるが、食品および栄養に関しては、系が複雑で困難であり、試験自体が日本人に合わない場合もある。低用量/長期試験での効果が予想されるので、観察研究の方が適しているのではないか。
一方、製品の信頼性を損なう問題として、基原と表示の不一致や品質上の問題(ex.崩壊性)があるものも多く報告されており、また食品安全委員会では、健康食品についてのネガティブメッセージを発信しているが、消費者が自分の健康や製品に対する正しい知識をもって選択することが大事である。妊産婦や病者に対しても、全て禁止するのではなく、有効な使用法を考えるべきで、ヘルスリテラシー(自分の健康や医療に関する情報を収集し理解することで、QOL向上ために意思決定すること)が大事。
米国と日本のサプリメント販売者および使用者の比較を行うと、情報の提供・取得方法に大きな違いが見られ、使用者の分類と商品の選定に影響している。ポジティブ・ヘルス(健康増進・生きることをの質の向上)とネガティブ・ヘルス(病気のリスク要因を排除)の両面での考え方が大事。
サプリメントのポジションは、「スロー・メディスン(低用量で長期継続)」であり、「ポジティブ・ヘルス+ネガティブ・ヘルス(病気の予防)」の2通りを考慮して検証する必要がある。

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